zames_makiのブログ

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愛する時と死する時(1958)反ナチ映画

=反ナチであり反戦ではない。有名な反戦映画「西部戦線異状なし」と同じ作者によるよく似た内容の物語だがアメリカ社会の戦争への姿勢が変化したため反戦映画となっていない。アメリカがドイツ人の主人公により連合国による悲惨な空襲被害を描く奇妙な映画。繰り返し空襲による
被害と悲惨さが描かれるがそれは悪であるナチによるドイツ人の自業自得であり、ナチは批判されても戦争は否定されない、結局ナチ反対であり戦争反対でない。恋愛は主人公の一時帰郷したドイツでの1エピソードに過ぎず、構成の示す主眼は明らかに恋愛ではない。これを恋愛映画とした評は上記の奇妙な視点のずれを理解できないための無理な評であろう。
 映画の主眼はドイツ人がナチに無理に戦争協力をさせられ、ドイツ人は自国の敗戦をさとりつつもナチ党に無理に従させられている。地下にもぐったユダヤ人が堂々とナチへの不満を述べる。またドイツ軍が民間人(ソ連ゲリラ)を殺した事が強調され主人公は彼らに親切にしたにも関わらず最後に復讐される救いのない結末となっている。

A Time to Love and a Time to Die
1958年/133分/カラー 出演:ジョン・ギャヴィン、リロ(=リーゼロッテ)・プルファー、エーリヒ・マリア・レマルク
…第2次世界大戦末期のベルリンを舞台に描かれる、ドイツ軍兵士と幼なじみとの恋。ベルリン・ロケされた本作は、サークのアメリカへの亡命以前に生き別れた息子(戦死)の思い出とも重なる。ドイツ軍の視点から描かれた、異色のハリウッド映画である。
7月23日(水)19:30 / 27日(日)18:30 / 30日(水)15:30
http://www.pia.co.jp/pff/festival/30th/lineup/index.html#sirk00
http://dravida.udn.ne.jp/cgi-bin/a-news/a-news.cgi?date=2004.08.16

キネマ旬報記事掲載

1958年11月下旬号外国映画批評 愛する時と死する時
1958年10月上旬40年記念号新作グラビア 愛する時と死する時
1958年10月上旬40年記念号新映画評 愛する時と死する時
1958年10月上旬40年記念号外国映画紹介 愛する時と死する時