zames_makiのブログ

はてなダイアリーより移行

テレビはアメリカの脅しの宣伝はやめろ

普天間基地移設問題が一向に収まらない。しかし「THE JOURNAL」で田中良昭氏が「恫喝に怯むDNA」と題し、アメリカの恫喝とそれに乗って騒ぐ日本のメディアを批判している。まったく同意だし80年代などの日米関係の歴史的事実も書いてあって参考になる。田中氏記事=http://www.the-journal.jp/contents/kokkai/2009/12/post_201.html

 田中氏の書くようにこの問題を報ずる日本のテレビを見ると不快で腹がたってくる。TBS「朝ズバ」、EX「スーパーJ」EX「スーパーワイド」を除いてテレビの論調は、日米同盟が絶対大事だから、早く辺野古案で返事しろとなっている。それらの意見はどう考えてもおかしいと思う。なぜなら

  • 専門知識・専門情報の説明がまったくない。:普天間基地の部隊が何をやっているのか、それはどういうものだからどこなら移設可能か、グァムに移設可能かどうか、そういったものを細かいデータを背景に説明する人はいない。直接的に言えば軍事評論家、軍事研究家、防衛庁OBでそれらを説明する人は元AERAの田岡氏を除いて一人もいない。視聴者はそれがどんなものか説明を聞かないままだ。
  • 沖縄の声がほとんど紹介されない。:テレビは地元が大事だ言うが沖縄の知識人、市長、運動家、庶民にその意向を尋ねないし、番組によんだりして意見を述べさせない。昨日宜野湾市長がテレ朝に出たがそれ以外で見たことがない。これだけ長期的で大きな問題なのになぜ本土のテレビは地元の声を聞かないのか?
  • 日米同盟が大事だと言うが、なぜ冷戦後の今大事なのか説明はない。:自民党政治家は北朝鮮が攻めて来るというがそんな事を本気にしている人はいないだろう。冷戦が終わり戦争の脅威国家がない今、なぜアメリカ軍が基地をおいたまま日本に必要なのか説明はない。素直に考えればアメリカ軍は必要ない又はその重要性は低下している。ひつこく強調される「日米同盟が大事だ」は理解できない。
  • 日米同盟の将来的なありかの意見がない。:コメント者で民主党鳩山政権が日米同盟の進化をさせる全体方針をどうするか考えないままやっているからいけないと言うが、そうコメントする人でそれに関してほういう方向が望ましいか説明する人はいない。これは上記の日米同盟がなぜ大事かと関係するが、テレビに登場するコメント者は、「なんの理由も示さず日米同盟が絶対に大事で、絶対に今までのあり方を変えてはいけない」と言っている。
  • メディアはアメリカの声を過度に取り上げすぎだ。:昨日も国民新党の下地氏がキャンベル補佐官と話した内容がまるでアメリカからの正式な最後通告のようにテレビは伝える。キャンベルは非公式に言っただけだしその意味も下地氏は説明していない。同じようにマイケル・グリーン氏などアメリカの旧政権の関係者(しかも現在では政府関係者ではない)が何か言えばまるでそれがアメリカの意見のようにテレビは伝える。マイケル・グリーン民主党の長島副大臣などとシンポジウムで喋った内容がまるでアメリカ政府の意見のようにテレビは伝える、どう考えてもおかしい。これを田中氏は80年代の経済摩擦での例で日本のテレビの騒ぎとして過去の実例で示している。
  • 鳩山首相氏は先週金曜日「今は日米合意をそのまま実行できる状況ではない」と辺野古移転に否定的な意見を示した。面白い事にこれを正面から批判する声はない。鳩山氏が決断しアメリカがその線で協議を始めたら(勿論合意に至るかは不明だが)、フジテレビや日本テレビはなんと言うのだろうか?彼らには正面から意見する強さは実はないように見える。ただ騒いでいるだけだ。それで国民を惑わせ鳩山を批判させようとしているように見える。