zames_makiのブログ

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早咲きの花(2006)戦争の記憶

映画 105分 配給:シネボイス・シネマ・インヴェストメント 公開:2006/12/26
監督:菅原浩志 原作:宗田理『ええじゃないか 17歳のチャレンジ』『早咲きの花-子どもたちの戦友』『雲の涯 中学生の太平洋戦争』(角川書店刊)脚本:菅原浩志 音楽:吉村龍太、喜多郎
出演:
浅丘ルリ子(シュナイダー植松三奈子)=幼少時に兄が空襲で死ぬ姿を見た少女、老女になり豊橋を再訪し回想する、語り手
笠菜月(三奈子)=語り手の幼少時代
鈴木駿(三奈子の兄・真次)=実質的な主人公、東京から豊橋昭和18年に越してきた臆病な少年
北見敏之(父・謹一郎)医者
いしのようこ(母・妙子)
徳山秀典(真次の先生)出征する、平和的
北条隆博(現在の高校生・カメラを送る)
加藤未央(現在の高校生)

【解説】失明寸前の女性が、少女時代を過ごした故郷に戻り、太平洋戦争下での悲喜こもごもの思い出を回想していくヒューマンドラマ。海外でピンホールカメラマンとして活躍してきたシュナイダー植松三奈子は、ある日医者からいずれ失明すると宣告される。三奈子はかつて家族と一緒に過ごした思い出の風景をその目に焼き付けるため、故郷の愛知県豊橋に帰郷する。彼女はそこで地元の高校生たちと知り合い、彼らに幼少期の懐かしい思い出を語って聞かせるのだった。

感想

少年の戦時期の体験ドラマ、今は老女となった妹の視点で回想する形で語られる、非常にオーソドックスな物語であまり面白みはないが語りと演技派よく切実さはある、中の中。おそらく愛媛県豊橋市の地域支援で製作されたもので、豊橋が舞台で最後に地域名物の祭りが挿入されている。
 失明寸前の老女が戦時期の兄の姿を回想するもので、非常にわかりやすい、エピソードは引っ越し、少年同士の喧嘩、宝探し、病気、友の父親の出征、先生の平和的な教育、先生の出征、軍需工場での労働、空襲による兄の死(昭和20年8月7日)など。語り手の老女(浅丘ルリ子)とカメラを起点にした現在の高校生との交流も描かれ、物語も撮影も丁寧でわかりやすい。
 子供(小学校)の先生は平和的だが、戦争はいけないと言う訳でもなく、戦争を嫌うのは現在の老女であり、現実的な演出になっている。後の「少年H」などと同種の映画。