zames_makiのブログ

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「明日、ママがいない」への里親の反応

日テレのドラマ「明日、ママがいない」が酷い。何らかの理由で親と暮らせない施設の子供を、里親から選べられるようになるため「かわいい芸」をするペットと描く。ドラマの焦点は彼らの真実ではなく、有名子役の顔見せと刺激的な愛憎表現による視聴率獲得だろう。だが実際の子供はそんな事はしないし、そもそも自分の状況を理解してもいないだろう。施設員も里親の反応もこのドラマ何もかも酷い!
 はっきり言えるのはドラマが現実を無視し、盛り上げの為に勝手な創作をしている事だ。それは批難されるべきだ。

 最近同じような事が映画「永遠の0」でも起きている。この映画では特攻隊員は志願であり、家族を守るために自発的に英雄的に突入したと錯覚するよう描かれている。だが喜んでみている若者は「創作だからいいのだ」と返事した。
 テレビドラマが視聴率のため(つまり金儲けのため)している事の延長線上にあの戦争映画があり、それが大ヒットしている。こんな事を許すべきではない。

 ヤフーサイト(http://bylines.news.yahoo.co.jp/mizushimahiroaki/20140125-00031838/)に日本テレビドラマ「明日、ママがいない」への里親や関係者の投稿が載っていた。日テレの番組投稿欄に何回か投稿したが掲載されなかったという。番組投稿欄が番組を盛り上げる為の道具であり、公平公正な物でないのは見ていればすぐ了解できる事だが、ともかく里親の普通の受け取りの声は大事なので以下コピーする。

関係者の声(子供の声)

「明日、ママがいない」の掲示板に投稿しました。掲載がないので、以下、お伝えします。


私は親に捨てられた経験があります。親の勝手で父の元へ行ったり、母の元に行ったり。継母、継父のいる環境で、子どもらしいわがままを言えず常に他人のいる状況で気を遣って育ってきました。食後のお茶も、飲まなくて言いと怒鳴られ、叩かれ、一人部屋に戻されました。学校では勿論いじめられていました。実母は、あなたの人生小説に書けば?などと気楽に言います。そんな親の元に産まれる子どももいるのです。幼少期の経験は人格を形成します。


子どもはこのドラマのように強く生きてゆく事などありえません。常に傷つき、身を削るようにして生きてゆきます。親に捨てられたのですから。主人公の子どものようになることはあり得ません。たいしたことないわけがないのです。親に捨てられたり、親が無責任だったりした子どもは、常に傷ついています。忘れて楽しい経験を積み重ねることが必要です。その為に心ある大人が人生をかけて頑張っています。幸せな人たち、何故ドラマがいけないのか理解できない程幸福な大人たちの娯楽のために、その努力を根こそぎ破壊する威力のあるドラマの放送には反対します。


要するに、理解できないで作っているわけです。たまたま幸福な大人たちは、たまたま不運になった人たちに無関心で、自分は自分。他人は他人。面白いのに、何故悪いんだ、と、娯楽を奪うなと怒る。これは異常なことではないでしょうか。日本国内の現実をもっと見て欲しいです。皆、これを機に、日本の将来や国家財源の状況、自分達が未来を創造しなければ明日がないことを自覚して欲しいと思います。


子どもは日本の宝です。子どもは無防備で傷つきやすい存在です。大人が守るべき存在です。そしてこれからの日本を支えます。温かい日本でなくて誰が支えるのでしょう。少しおかしいことに気づいて欲しいです。

里親の声

里親です。実際に当事者、関係者が何万人もいて、赤ちゃんポスト(「赤ちゃんポスト」はマスコミが使い始めて広めた蔑称と聞いています)、里親制度や児童養護施設児童相談所と、実在する関係機関もあり、それを利用して制作している以上、フィクションにも当然、それらへの理解と想像力と配慮が必要なはずと考えますが、ドラマはそこが欠けて、当事者への加害性を持っていると感じました。


 人気の子役が出演しているので子どもが視聴する率も高いですが、まだまだ理解力や判断力のない子どもに社会的養護の子どもたちへの偏見をもたせてしまうことをとても心配しています。子どもが施設で育つことに負い目を感じなければならないのは、社会の偏見の眼を子どもが敏感に感じとるからです。その意味の重さを想像してください。

 児童養護施設から学校に通っている子どもは実際にたくさんいます。周囲の子どもも知っていて、悪意なく、偏見という意識もなく、「お前もポストなの?」「お前も新しい親さがしてんの?」など、聞くことは十分にあり得ます。  酷な話です。  そのように聞かれた子どものこころの痛みや悲しみ…そしてその子の育ちへの影響を想像してください。


 社会的養護の場に自らの意志とは関係なくおかれた子どもたちは、すでにいろいろな傷を抱えています。その抱えさせられた傷を癒しつつ、自立へ向かって大人へと成長もしていかなくてはならないという、あまりに大きなハンデを背負わされた子どもたちを応援するどころか、さらに追いつめ、傷を複雑にするような番組を作って放映するなど、こころある大人のすることではないです。  現実に起こってからでは取り返しがつかないです。

 だから私は起きてはいけないことが起こる前に止めるよう、中止を申し入れます。  また、初回をみた人がすべて最後まで、毎回みるわけではないです。最後までみなければわからない内容ならば、こころに見えない傷を負う被害者が本当に出てしまう前に中止してください。

短編映画研究会第137回

作曲家シリーズ[9] 間宮芳生湯浅譲二三木稔(計114分)
日時:2014年1月26日(日)
14:00〜16:10 
場所:日比谷図書文化館 4F会議室
会費:500円(作品資料付き/映画は鑑賞無料)
http://d.hatena.ne.jp/tancho/

上映作品

  • 間宮芳生 『風俗画 近世初期』1967年/23分/カラー 

制作■岩波映画製作所 企画■東京国立博物館 プロデューサー■田中清広 脚本・演出■羽田澄子 撮影■小村静夫 録音■久保田幸雄 音楽■間宮芳生 語り■丹阿弥谷津子
近世初期の風俗画から、時代の推移を見ていく。絵画では脇役に過ぎなかった民衆が主役として登場し、その生活が赤裸々に描かれていることを紹介。

  • 三木稔 『紙のポリシイ』1967年/30分/カラー

 制作■岩波映画製作所 企画■大王製紙 プロデューサー■松山広昭 脚本・演出■中野剛宣 撮影■川島安信 音楽■三木稔
昔から和紙の産地として有名な伊予三島。紙づくりの古い伝統と恵まれた自然条件のもとに発展した、大王製紙の工場および製品を紹介。紙の現代像を描く。

  • 湯浅譲二 『手漉和紙』1975年/30分/カラー

 制作■日経映画社 企画■文化庁 プロデューサー■佐藤一郎 脚本・演出■小谷田亘 脚本■北条明直 撮影■浅岡宮吉 音楽■湯浅譲二 語り■和田篤
福井県今立町は越前和紙の産地として知られる。重要無形文化財・岩野市兵衛氏宅での和紙作りの工程から、白く上品な和紙が誕生するまでを描く。

  • 間宮芳生 『海にかける虹』1972年/31分/カラー

 制作■北斗映画社 企画■日本水産 プロデューサー■郷田昭夫 脚本・演出■門田龍太郎 撮影■春田友喜 音楽■間宮芳生

世界に活躍する日本の水産業が進む、これからの新しい道とは。オーストラリアやインドネシアでの漁業技術の協力、海の未利用資源を開発する姿を描く。