zames_makiのブログ

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続人間革命(1976)正続篇で1本の映画

メディア:映画 上映時間:159分 製作:東宝=シナノ企画 公開:1976/06/19
監督:舛田利雄 製作:田中友幸 原作:池田大作 脚本:橋本忍 音楽:伊部晴美 特技監督中野昭慶
出演:
あおい輝彦山本伸一池田大作)1947年に入会、少年雑誌編集長になる、説教で既に戸田の主旨を逸脱する描写あり
春川ますみ(学会員)ヤクザから離婚させる学会員
岸田森、尾藤イサオ(ヤクザ)渡哲也の組のヤクザ、学会員のせいで妻が離婚したとねじ込む
大竹しのぶ(学会員)
夏純子(?)


興味深い点

1価値論→(日蓮宗)→生命論→池田大作論と、宗教教義の変遷が見える
=異端の発生、指導者による教義の扱いの様子
2師弟関係の変化
牧口→戸田、戸田→池田、と上記の変化を、それぞれ容認している様子が垣間見える
3事業と宗教
事業家としての戸田が如何に宗教家に目覚めるか?=幸福の科学と同じ、映画も同じ?
4映画的わかりやすさ
強調点=六道(地獄、畜生、餓鬼、修羅、人、天)の説明を映画的に行う(俳優による演技で見せる)、科学による変化を取り込もうとする姿勢、科学=地球生命の発生をわざわざアニメで説明、戸田が獄中で佛とは何かと解明するクライマックスが映画的(昇る太陽)、特撮で台風などの自然を表現
5科学の強調、社会性の強調=映画的演出
6有名俳優、脚本家、音楽家の使用
=戸田が丹波哲郎、渡哲也のヤクザ、が印象的

人間革命(1973)宗教映画の中味

メディア:実写映画 上映時間:160分 製作:東宝シナノ企画 配給:東宝 公開:1973/09/08
監督:舛田利雄 製作:田中友幸  原作:池田大作  脚本:橋本忍  音楽:伊福部昭  特技監督中野昭慶
出演:
丹波哲郎戸田城聖)主人公、1945年7月に出獄、ただちに事業を開始、1950年までに活躍
芦田伸介牧口常三郎創価教育学会の創始者、戸田の師、獄中で死ぬ
仲代達矢日蓮)空想シーンで登場、続編では戸田を説教する
新珠三千代(戸田の妻)あまり出番なし
平田昭彦名古屋章、稲葉義男、佐原健二創価学会の役員)
山谷初男大石寺の住職)戸田を祝福
渡哲也(ヤクザ)戸田に反対するヤクザもの、やがて組長になる
志村喬(金貸し)戸田に出資する金貸し、事業だけにしろという
佐藤允黒沢年男(空想シーンでの主人公)ヤクザ、医師、守衛など六道に応じて変化
雪村いづみ(?)

フィルメックス映画批評の現在と未来を考える

国際批評フォーラム「映画批評の現在と未来を考える」

11/18(日)12:00-14:00

第1回「ラウンドテーブル:映画担当新聞記者と語る」
日時:11/18(日)12:00-14:00
場所:有楽町朝日スクエア
登壇者: 藤井克郎(産経新聞)、石飛徳樹(朝日新聞)、勝田友巳(毎日新聞)、古賀重樹(日本経済新聞)、恩田泰子(読売新聞)

11月22日(木)18:30-20:00

第2回「シャルル・テッソンによる基調講演」
日時:11月22日(木)18:30-20:00
場所:有楽町朝日スクエア
※日本語通訳付:
講演:シャルル・テッソン(フランス、映画評論家、カンヌ映画祭批評家週間ディレクター)*Charles TESSON

東京フィルメックスでは、これまでに現代における映画と社会の関わりを探ってきました。今年は、先ず新聞の映画記者にお集りいただき、日本の映画批評の現在地を検証します。次に、海外の識者としてフランスから映画評論家でカンヌ映画祭批評家週間ディレクターのシャルル・テッソン氏を招き、講演を行ないます。そして今年も昨年同様、第19回東京フィルメックスの上映作品を鑑賞後、書かれた批評を一般から公募します。映画祭の最終日には、ふりかえりを行い、講師から講評していただきます。優れた批評は、映画祭期間終了後に、公式サイトで公表し、この国際批評フォーラムのレポート掲載と併せて、批評について考える機会を広げることも目指します。

海の呼ぶ聲(64分・35mm・白黒)
2018年11月6日7:00 PM@長瀬記念ホール OZU 2018年11月17日11:00 AM@長瀬記念ホール OZU 2018年11月21日3:00 PM@長瀬記念ホール OZU
1945(大映)(美)木村威夫(監)伊賀山正徳(原)久藤達郎(脚)小崎政房(撮)高橋通夫(音)横田発名(出)杉村春子、高山徳右衛門、朝雲照代、藤原鶏太、吉川英蘭



戦時中に製作されながら上映不許可となり、終戦後に初公開された木村の美術監督第一作。漁師の夫を海で失った母親(杉村)は、一人息子が父親の二の舞になるのを恐れて海に入ることを禁じるが、息子は父のような漁師になる希望を抱き、海へのあこがれを募らせる。浪曲映画の形を取った本作の原作は国民演劇脚本情報局賞受賞の戯曲で、方言を活かした台詞に特徴がある。当時舞台で上演もされた。

戦慄の七日間(1950)イギリスの原爆映画「太陽を盗んだ男」の先行作

原題:SEVEN DAYS TO NOON
メディア:映画 上映時間:93分 製作:ロンドンフィルム・イギリス 
ベニス映画祭に出品されている
Italy:September 1950 (Venice Film Festival)
UK:14 September 1950 (London) (premiere)
UK 30 October 1950
USA 18 December 1950
日本配給:東和 日本公開:1954/03/13
=日本版DVDあり

監督:ロイ・ボールティング、ジョン・ボールティング 製作:ジョン・ボールティング 原案:ポール・デーン、ジェームズ・バーナード 脚本:ロイ・ボールティング、フランク・ハーヴェイ・Jr 音楽:ジョン・アディソン
出演:
バリー・ジョーンズ
オリーヴ・スローン
アンドレ・モレル
シェイラ・マナハン
ヒュー・クロス
ジョーン・ヒクソン
ジョス・アックランド

メモ・感想

イギリスはマンハッタン計画に参加、1945年の時点で政府・軍には原爆にかんする知識はある。だが自国の原爆保有は1952年以降。1950年のこの映画公開時には「原爆を持つ事はできるがまだ持っていない」状態にある。映画では核兵器を持つことの是非を開発科学者がイギリス社会に問おうとするが、政府が鼻から認めず秘密裏に圧殺しようとするのが前提で物語が構成されている。最終的に政府は新型爆弾=原爆の形で公表するが、これに対するイギリス社会の反応は描かれてらず、映画製作者たちはそこ(核兵器所有の是非、それへの議論喚起)まで踏み込まないものになっている。映画はロンドンフィルムという比較的小規模なプロダクションで製作されているが、ロンドン中心部からの全員退避という多くのエキストラを使う映像を製作しており、けしてアイデアだけのCクラス映画ではない。核兵器を盗み都市で爆発すると政府を脅迫する点で「太陽を盗んだ男」とまったく同じアイデアであり、核兵器の意味を問い、真面目に都市住民の避難を描いており、長谷川の映画よりずっとまともな原爆にかんする映画である。映画は基本的に犯人を捜すサスペンスであり、原爆被害の大きさ、核戦争による人類破滅などは言及されていない、製作者の意図は、娯楽映画にあるのか政治的な注意喚起にあるかは不明だが、ベニス映画祭に出品されている点で単なる娯楽映画にとどまらないとの見方であったのではないか。細部はともかくその設定自体で映画の持つ政治的意味あいで映画史上大きく取り上げられるべき映画だろう。




イギリスの原爆保有は1952年

https://www.y-history.net/appendix/wh1602-028_2.html

イギリスは1952年に原爆実験を行い、米ソに続く第三の核保有国となった。57年には水爆実験を実施した。

 核兵器アメリカ独占体制が、1949年9月のソ連の原爆実験成功によって崩れたのを受け、イギリスも核兵器の開発に着手、アメリカの技術支援を受け、1952年10月にオーストラリア近海のモンテ=ベロ島で実験を行った。当時のイギリスは、前年末の総選挙でアトリー労働党が敗北し、チャーチル保守党内閣が成立していた。また同年12月にはエリザベス2世が新国王として即位している。この年は朝鮮戦争の最中であり、東西冷戦が極度に緊張が強まっていた。
 イギリスは米ソに続く第三の核保有国となって核兵器開発競争に加わり、さらに55年に水素爆弾製造に着手ることを表明し、イーデン内閣の1957年5月、南太平洋上において水爆実験に成功した。しかし、イギリスのような小さな島国で、しかも戦後経済復興の厳しい状況にある中での核兵器開発には労働党をはじめ反対の声も強く、民間にも核兵器反対運動が根強かった。またイギリスを代表する数理哲学者バートランドラッセルも世界的な反核運動の先頭に立っていた。

イギリスの核兵器開発経緯

http://www.pcf.city.hiroshima.jp/Peace/J/pNuclear1_1.html

1940年 原爆生産の可能性を検討する科学者委員会が設置される
1943年 アメリカのマンハッタン計画に参加
1946年 原子力研究所を設立し、独自の原爆開発計画を推進
1952年 10.03. オーストラリアのモンテベロ島で原爆実験に成功
1957年 5.15. クリスマス島で水爆実験に成功
2002年 2.14. アメリカと共同で臨界前核実験を実施

旅路 1967年(S42)/東映東京/カラー/107分

■監督:村山新治/原作:平岩弓枝/脚本:田中澄江/撮影:飯村雅彦/美術:森幹男/音楽:小杉太一郎
■出演:佐久間良子仲代達矢小山明子、悠木千帆、宮園純子木村功、鈴木やすし、原泉伊志井寛

平岩弓枝原作、NHK朝の連続テレビ小説を映画化したもの。昭和初期の北海道を舞台に、若き鉄道員夫婦、仲代達矢佐久間良子の、貧しくとも清らかな生活、限りない愛が描かれる。国鉄の協力のもとつくられた感動篇。 ▲

上映 ラピュタ阿佐ヶ谷
10月31日(水) 〜11月3日(土)

ALL THAT REMAINS(2016)正攻法に原爆被害を描く英国製原爆劇映画

=CGとアジア系俳優で原爆の残酷さ、破壊の様子をリアルに描く英国製原爆映画。ハリウッド的な大作ではないが日本的には十分金がかかっている。CGを大幅に使い、1940年代の当時の日本の様子を、被爆以前も、被爆後も再現している。監督は永井隆氏の著作に感動、兵士として、被爆者として、平和を訴えた者として描いている。
=「The Atomic Bomb in Japanese Cinema」(2015)に長文のインタビュー記事あり
公開:USA:5 May 2016、Poland:19 February 2016 120分 
監督:ドミニク・ヒギンズDominic Higgins, イアン・ヒギンズIan Higgins
脚本:Dominic Higgins, Ian Higgins
出演:
Leo Ashizawa(永井隆
Yuna Shin(緑:永井隆の妻)
Meg Kubota(Tsumo Moriyama)
David Yip(Noburu Nagai 永井の父?)
Kaya Yuzuki(Matron Hisamatsu)
Junichi Kajioka(Professor Suetsugu:末次教授)

IMDBhttps://www.imdb.com/title/tt2629110/?ref_=nm_knf_i1
YouTube
製作提示:https://www.youtube.com/watch?v=RQkasPIYaVI(6分3秒)
予告編1:https://www.youtube.com/watch?v=E7OyOCPo2Eg(4分41秒)
予告編2:https://www.youtube.com/watch?v=5GnMq8msw8w(4分8秒)
→アマゾンでDVD発売中

朝日新聞 2014年2月15日に記事

「Film tells story of Nagasaki scientist who cared for A-bomb survivors」
February 15, 2014
By SHOHEI OKADA/ Staff Writer
NAGASAKI--The upcoming movie “All That Remains” is the true-life story of Takashi Nagai, a radiologist who took care of atomic bomb survivors even after the death of his wife in the 1945 catastrophe.

アマゾンの説明文

Produced by Ian and Dominic Higgins, makers of the acclaimed Fatima film, The 13th Day, this movie tells the inspiring life story of Nagasaki Atomic bomb survivor and Catholic convert, Dr. Takashi Nagai. A rich, stylistic blend of live action, CGI and archive footage, All That Remains brings to life the amazing story of a forgotten hero in the West?but deeply beloved in Japan?and a pivotal moment in history for a new generation, and takes the viewer on a visceral journey of discovery and revelations.

Nagai, a descendent of a Samurai family, a patriot and a pioneering scientist embarks upon a quest for the "ultimate truth"?the meaning to life and death. It is a journey that starts at his mother's deathbed, and leads him to discover the "hidden Christians" of Nagasaki and meet Midori, the woman whom will finally transform a skeptical man of intellect, into a man of the heart and faith. As Takashi struggles with his new faith, storm clouds gather in Japan as militarists take control of the government, and drag Japan into a long, bloody war with China.

When Japan declares war on England and America, Takashi is convinced that X-ray technology will be in high demand and absorbs himself in his work, risking his health and neglecting his family. But everything changes in a blinding flash, as the atomic bomb is detonated over Nagasaki. Midori is one of the 80,000 souls killed instantly. Takashi, now battling leukemia, left alone to raise their two young children, turns to God for help, and is inspired to rebuild Nagasaki from the rubble and ash. Becoming increasingly bedridden, he begins to write about his experiences. It is through his profound words as a revered man of peace, that a country defeated and demoralized by war re-discovers the healing of power of love.